蔵書家たちの黄昏

反町茂雄の主題による変奏曲

[115] 現代日本の蔵書家∞ エピローグ

⓪ エピローグのプロローグ

22万 0   
21万
20万 00
19万
18万
17万 0
16万
15万 00
14万 
13万 0
12万
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  9万 0
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  7万 0
  6万 0000
  5万 00000000
  4万 000000000000000
  3万 0000000000000000000000000000
  2万 000000000000000000000000000000000000000000000000
  1万 00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000

「現代の蔵書家たち」より。1972年以後現在までのほぼ50年間で。
(本篇より江島伊兵衛と東畑謙三を1万クラスに、武田長兵衛を10万クラスに追加)

 

 


☆関谷「各ランクで、どれぐらい蔵書家がいるのか0で表現してみました。暇な方はどの0が誰にあたるのか本文を見て調べてください」

☆梅本「こうやって見てみると、昭和元禄というか平成元禄というか、この50年間日本はずっと平和だったんですねえ」

★関谷「中国の例を見ても、名のある蔵書家が多く出た時代は平和で経済的にも豊かな頃だからね」

☆梅本「でも所蔵数が上に行けば行くほど、なんか変な人がじょじょに増えてきて・・・」

★関谷「それはあんたの解説の仕方だと思うんだが・・・」

☆梅本「正直『蔵書幻影』の白崎五郎みたいな人も出てくるんじゃないかと、ちょっと心配してました」


① 万クラスだけど数が分からなかった人

★関谷「かなり多いという話が伝わってるけど、冊数がはっきりしない人が結構いるので、エピローグではそういう人を取り上げてみます。少なくとも1万は越える人。まず誰がいるかな?」

☆梅本「村上陽一郎 (Murakami Yoichiro 1936-)。科学史家です。みなさんご存知ですよね」

★関谷「うん。この人もかなり多いって言われてて数万クラスだろうって。本人は俺は6万冊読んだって豪語してる」


☆梅本「野間宏 (Noma Hiroshi 1915-1991)。作家の蔵書家としては井上ひさしや司馬遼太郎と共によく名前が挙がる人です」

★関谷「典型的な戦後左翼作家で6~70年代は三島に併称されるほどの位置付けだったのに、今では名前をみることがめっきり少なくなったね。持ってた冊数ははっきりしないの?」

☆梅本「どえらい数持ってたのは確からしいんです。玄関入るともう本だらけだって。でも風呂場にまで積まれてたのは珍しいですよね。本が湿っちゃうのに。
    一応ね、神奈川近代文学館に寄付された分だけで85080点。でもこれ、原稿や草稿、日記、手帳、書簡の類も含んでるので、本がどのくらいなのかがハッキリしません。内容も社会派の作家なので文学だけじゃなく、思想・歴史・社会科学など多分野に渡ってたって。おそらく持ってた量は立花隆と同じぐらいだろうけど、立花さんの場合は楽しみながら知識をどんどん広げてゆく愉悦感が感じられるのに、野間さんはあの当時の周囲の期待から自分のやってる仕事が世の中でもの凄く重要な事だと思い込んでその使命感からここまで資料を集めたんだと思います」

★関谷「『青年の環』とかあそこまで長大な小説書いて一体誰が読むんだろうかって思ってた。全盛期でもそうだから今ならなおさらの話だよな。しかしこの人、あれだけのものを書くためには実に気が遠くなるほどの資料をあつめてたんだな・・・」

☆梅本「関谷さん、『青年の環』読んでおあげなさいよ」

★関谷「俺だって嫌だよ!」


☆梅本「荒俣宏 (Aramata Hiroshi 1947-)。西洋稀覯本のコレクターで、雄松堂のおとくい様。特にあちらの古い図鑑では有名です。そういうのにすごい大金出してますから。でもそういう珍籍だけではなくて、この人も家三軒が本で埋まったって話があります。自分でも数万は持ってるって言ってました」

★関谷「博識で何でも知ってる系の人なんだけど、若いときはオリジナリティある視点だったのに、最近はメディアとのタイアップ感が・・・」

☆梅本「荒俣さんはもう終活に入ったそうですよ。蔵書の半分を慶應義塾大学に、4分の1を武蔵野美術大学に寄贈したって話です」

★関谷「お仲間の紀田順一郎氏や高山宏氏ももう大半を処分してるもんな。さんざ本の世界で遊んだ後、どうしても必要なものだけ手元に残したというか・・・」

☆梅本「野間宏と立花隆がタイプとしては対照的だってさっき言ったけど、立花さんよりさらに遊び感覚が強い蒐集家ですよね。この人」

 

★関谷「反対に、野間宏よりもっと真面目感覚が強い蔵書家って誰になるんだろう?」

☆梅本「うーん、例えば反町さんが名前挙げてた池田亀鑑とかじゃないかしら? 取引してた反町さんはここまで「遊びのない蔵書家」は珍しいって。学者の蒐集家であっても息抜きで能本を採ってみたり、専門分野以外の物も買っちゃうのが通常なんだけど、この人の場合それはなかったって。ひたすら専門分野のためだけ。」

★関谷「たしか源氏物語が専門の東大教授なんだよな」

☆梅本「でも源氏物語関係って日本の古典籍のメインストリームだから滅茶苦茶高いんです。」

★関谷「確かに源氏の写本は国宝級、重文級のものが多いね」

☆梅本「それを大学が買わないのも自腹切って買うもんだからサラリーは全部つぎ込んで、田舎の親は田畑を処分して協力するし、門下に実業家のコレクターがいたのでその人に買ってもらったり」

★関谷「そうやって色んな異本を蒐集して、戦後の源氏物語研究の金字塔と言われるあの『源氏物語大成』に結実したわけか。」

☆梅本「ええ この人の場合、全部研究のため。管理人は 昭和の蔵書家 の頁の池田亀鑑の項で心無いコメントつけてたけど、この人にとって蒐集は趣味や遊びじゃなくて真剣勝負なんですよ」

★関谷「そういう背景をわかりもしないで、いつもテキトーなコメントつけてあいつはヒドイ奴だな」

 

☆梅本「鏡明(Kagami Akira 1948-)。電通出身の広告マンです。でもSF小説や評論も書いてて本人はこっちの肩書で呼んでほしいみたいです。
    十八畳の書庫に一番多く本が入るように計算して本棚おいたけど許容量の数万冊を超えて収まりきらず山積みになっていて中が見えない状態・・・ 他に都内某所に15畳の部屋があってそっちも天井までダンボールが積まれていると・・・ このコーナーって、ほんっと、こんな人ばっかりですね」

★関谷「仕方ないだろう。そういう人たちの人生をみてゆくコーナーなんだから」

 

☆梅本「松沢呉一 (Matsuzawa kureichi 1958-)。エロ本コレクターで、やはり万単位所有してるそうです」

★関谷「風俗ライターでもあるんだよな。風俗誌でよく読んだ。でもエロ本だったら他に谷村新司とか・・・」

☆梅本「あの人はビニ本コレクターです。エロ本全般じゃない。数も5千ぐらいなのでこのコーナーで取り上げるには届きません」

★関谷「5千でも充分異様だと思うが・・・」

☆梅本「谷村新司が真田広之に200冊送ったら、『これよりうれしいことはないです』だって。二枚目のイメージガタ落ちですね。
    あの福山雅治も今田耕司にエロ本借りてたし・・・ 学生時代に知った時はかなりショックでした」 

★関谷「今は松沢呉一の話だろ。脱線するなって」

☆梅本「ところでエロ本蒐集家としての松沢さんは『エロスの風景』ってエロ本出版史出されましたが」

★関谷「松沢の風俗の入門書はあまり役に立たなかったけどこれはどうなんだろ?
    エロ漫画蒐集家だった米沢嘉博の『戦後エロ漫画史』はかなり評判良かったみたいだが・・・」

☆梅本「でも最近の人は何かあっさりしてますね。谷村さんはビニ本5千冊はもう全部処分したって」

★関谷「松沢も五十になって性欲がなくなったら風俗ライター廃業したしな」

☆梅本「その点、昔のエロコレクターの方が想像力に依存してた分、年取っても・・・」

★関谷「2万冊クラスで触れた発禁本蒐集家の城市郎なんて、90近くなっても現役コレクターで死ぬまでその執念は枯れなかった。超稀覯本の「談奇党」全8冊を手に入れた87歳の時の文章があるが大したものだ」

『かつて斯界の如何なる書誌にも、全く触れてなかったまさに幻、天下に一冊しかない異装本ではないかと思い、胸の内は漠々の態で注文する。当たれば天国、外れれば地獄、古書展抽選選挙争奪戦の実状、戦々恐々、食事も睡眠も全く放棄した空虚の数日後、夢の如き奇蹟の宅配便が到着。「談奇党」全8冊、その終刊号たる「臨時版談奇秘話」特別異装洋風本を初めて手にし、叫喚絶句、表現する言葉もない始末。」(城市郎著「発禁本・秘本・珍本」より)

 

 


☆梅本「気味の悪いものを読まされてトイレで戻してました。もう帰ろうかと思ったんですがあと少しなので、また紹介を続けていきます。
    安岡正篤 (Yasuoka Masahiro 1898-1983)。歴代首相の相談役。確実に万はあるんですこの人。中国の大学に寄付しただけで1万2千っていいますし、あと数万はあるって。」

★関谷「なんか偉い人なんだろうけど、どうしてそこまで一目置かれるのかよくわからない」

☆梅本「本職は漢学者。でも漢学者としてはもっと本格的な業績挙げた人が他にいくらもいるでしょう? それよりゴシップ好きの私としては晩年、若き日の細木数子さんを玩具・・・」

★関谷「問題発言はそこまでだ。早く次の人紹介して。」


☆梅本「中泉行正(Nakaizumi Yukimasa 1897-1978)。眼科医・眼科学者です。これは非常に特色あるコレクションなんです。古今東西に渡った巨大な眼科関係の文献です。今は8万冊を超えるんですけど、図書館としての公益法人化が早いのでその時にどれぐらい集まってたのかがはっきりしません。」

★関谷「ほんと蔵書家には色んなタイプがいるんだね」

 

 

☆梅本「最後は昆虫本四天王です」

★関谷「昆虫本四天王?」

☆梅本「一般的にみて、理系に蔵書家は少ないんですよ。でも昆虫とか植物とか、そういう博物学系はまた別の話でかなり規模の大きな蔵書家も存在します。白水隆、長谷川仁、小西正泰、大野正男の四人を「虫の本の四天王」とか呼ぶって話です。
    白水隆さん(Shirouzu Takashi 1917-2004)は九大教授、長谷川仁さん(Hasegawa Hitoshi 1918-2006)は日本昆虫学会会員、小西正泰(Konishi Masayasu)は日本ホタルの会理事、大野正男 (Oono Masao)さんは東洋大教授。彼らは博識で大蔵書家でその世界の人たちからはすごく頼りにされてたんだって。この人たちの蔵書の棚長を合計すると1900mになるそうです。このうち特に多いのが大野さんで1000m越え。後の三人もそれぞれ300mをこえます」

★関谷「これはどういう事? 彼らの蔵書の内容を全部見るには2km歩かなければならないってこと?」

☆梅本「それがよくわからないんです。本棚を横に並べていった総延長のことを言ってるのか、それとも本棚の段の数まで勘定に入れて、全部の本の厚さを合計したものなのか」

★関谷「冊数に直すとどれぐらいになるんだろう?」

☆梅本「うーん 前の場合だと、普通の本棚の横幅を1mと仮にしてみます。本棚一つに200冊入るとして、その300倍で6万冊、1000倍だと20万冊。といっても実際には本棚には300冊ぐらい入ることは多いので、大野さんは20~30万冊、後の三人は6~9万冊」

★関谷「いくらなんでも多すぎないか? 昆虫本以外もあるにしても主に自然誌関係でそんな数は・・・」

☆梅本「ちょっとありえないですね。じゃあ後のケースで計算しなおすと、本棚を六段と考えて、それぞれ6分の一にしてみます。大野さん3万3千から5万ぐらい。他の人は1万から1万5千。これなら今までみてきた蔵書家たちの水準からみても妥当な線ですね」

★関谷「『虫の本四天王』とか、世の中に実際にいるんだな・・・」

☆梅本「『本の虫四天王』だったら、井上ひさし、谷沢永一、渡辺昇一、紅野敏郎ってとこでしょうか。
    とにかく博物系は理系でも大きな蔵書家がいるってことです。本篇に載せてる牧野富太郎さんでも4万5千冊もあったでしょう?」

 

★関谷「これで終わりだな」

☆梅本「いいえ、『最後』って言いましたが一名追加です。
    佐久間進 (Sakuma Susumu 1935-)。また地方の名士だって言われるかもしれないけど、九州のサンレーグループっていう葬儀会社の社長で書庫は数万冊規模なんだって。」

★関谷「思い出した! 昔テレビの「日本の社長」にも出てなかったか? レポーターの宮尾すすむが『ここは図書館ですかっ!』って驚いてた。」

 

☆梅本「あと竹村健一の書斎がすごいって聞いたことがありますけど冊数までは・・・  幸田露伴、仲小路彰、鹿島守之助、手塚治虫、半藤一利、田原総一朗、養老武司・・・、多そうだけど冊数のわからない人っていくらでもいますから。 今のライターや編集者だったら東雅夫の名前がよく取りざたされてますね・・・
    とにかく近代日本最大の学者一族とされる箕作=菊池家の方々の蔵書すら、ここの管理人ではよくわからないんです」

 

 

② 逆に本を持ってない人

☆梅本「『蔵書家たちの黄昏』というこのブログは本を持ってる人ばかり取り上げてきましたが、『本を持ってない人』にも視点を移してみましょう」

★関谷「そんなの西成の簡易宿舎に行けばいくらでも」

☆梅本「私の言ってるのは有名人の話ですよ。稲垣足穂みたいなケース。太宰治も身辺にほとんど本を置かなかったって話があるし・・・」

 

 

★関谷「身辺に本を置かない作家って、それで真っ先に思い浮かぶのは井伏鱒二だな」
☆梅本「今さっき口にした太宰治も、たしか井伏鱒二の弟子筋にあたるんですよね。」
★関谷「吉行淳之介も、訪ねてみたら部屋に全く本がなかったって聞くけどさ」
☆梅本「吉行さんは本棚の内容を人に見られたくないから隠してただけですよ」
★関谷「井伏鱒二が本を置いてないのを見て『かっこいい』と思ったのが開高健。」
☆梅本「開高健らしいですね。で、開高健のことだからそれを真似するんでしょう」
★関谷「そう。真似して自分も一冊も置かない様になった」
☆梅本「でも、そうしちゃうと執筆する上で困りませんか」
★関谷「だから、谷沢永一のところから本を借りるわけだ」
☆梅本「いよいよ開高健らしいですね。それなら何にもならないじゃない」
★関谷「開高は、30冊も50冊も風呂敷に包んで持って帰ってたそうだ」
☆梅本「元々開高健という作家自体が谷沢永一の書庫から生まれた様なものでしょ?」
★関谷「そう、谷沢は高度成長期以前から何故かかなりデカい書庫を保有していた。」
☆梅本「みんな貧しかった時代に何でそんな事できたんでしょう?金持ちだったの?」
★関谷「家が大工だったらしい」

 


☆梅本「だいたい家に本を置かない人には置かないなりの理由がちゃんとあるんですよ。それを開高健みたいにただ『かっこいいから』だけで真似ても、豚顔で重い風呂敷包み抱えて徘徊するかっこ悪い姿が人目につくだけです」
★関谷「例えば?」

☆梅本「ピーナッツシリーズ書いたチャールMシュルツって漫画家いたでしょう」
★関谷「ああ、スヌーピーとかチャーリーブラウンのやつか・・・」
☆梅本「あのお爺ちゃん死ぬまでシリーズ書き続けてたんだけど、変な影響が混じり込んで自分の作品世界が変容するのを恐れて、テレビもラジオも本も一切排除しちゃったそうです」
★関谷「日本なら志賀直哉が正にそのタイプでしょ? 人の書いたモノは読まない。自分が昔書いたものだけ読むみたいな風に、晩年なっちゃったじゃないか」
☆梅本「本一冊も置かないというのとは少し違うかもしれないけど、芸術家の中には自分の作品世界が変容されないように他からの影響をシャットしようとするタイプは確かにいますね。」

 

 

⑤ 本持ってなくて本読む人

☆梅本「ところで、スコトゥス・エリウゲナの「作られて作らぬ自然」とか「作られなくて作る自然」とかあったでしょう」
★関谷「は?」
☆梅本「エリウゲナっていう9世紀の神学者がこの世界の「自然」を四つのパターンに分別したんです。
   まず、作られて作る自然。これは神に作られた被造物でありながら、自分でもいろんなものを創造する「人間」のことです。
   次に、作られて作らぬ自然。これは普通の「モノ」ですね。石とか木とか水とか空気とか。 
   そして、作られなくて作る自然。これは「神」ですね。
   最後に、作られもせず作りもしない自然。これは「無」なんです。
★関谷「スヌーピーは知ってるけど、いきなりエリウゲナなんて言われても・・・ それに本と何の関係が」

☆梅本「これを本に関連して変換してみると
   『本持ってて本読む人』。これは井上ひさしをはじめとするこのサイトで通常扱う海千山千の蔵書家達ですね
   『本持ってて本読まない人』。欧州の宮廷図書館は稀覯本の宝庫だけど歴代君主の大半は無関心ですね、 
   『本持ってなくて本読まない人』。これはさっき言ってた西成の人です。
   『本持ってないのに本読む人』。そして最後にお話しようとするのがこのタイプの人たちなんです。」

★関谷「つまり?」☆梅本「森銑三みたいに自分ではほとんど本持ってなくても国会図書館に入りびたりでそこのヌシみたいになって実は物凄い読書量だったっていうような人をテーマにしたらどうでしょう? 」
★関谷「そういう奴は案外多いよね。大英図書館に行ったら、あそこはマルクスがずっと座ってた席だよって解説されるもんな」
☆梅本「こういう人って古代からいるんですよ。アテナイオスもアレクサンドリア大図書館で1500冊も読んでいます。」
★関谷「古今東西で最も博識なのは多分ライプニッツだろうけど特に蔵書の話はない。と思ったら、この人実は・・・」
☆梅本「ドイツ最高の図書館の館長だったんですよね。あのゲーテも、さほどの蔵書数ではないんだけど・・・」
★関谷「六万も蔵書のあるワイマール公の図書館の館長を務めてたんだよな。みんなそういうオチだ。」
☆梅本「でも、今はスマホでデジタルライブラリーにアクセスできるから自分で本持たなくても」
★関谷「巨大な情報に接する事が可能になってる。例外はあるけどコストもかからない」
☆梅本「開高健みたいに醜態さらさなくても本を置かなくて良くなったという事か」
★関谷「だから本も売れなくなり昔みたいな大蔵書家も少なくなってきた」
☆梅本「狩野亨吉とか井上ひさしみたいな人はもう出ないのかな」
★関谷「そもそも必要ない物を金出して買う必要はない」
☆梅本「つまりもう本はいらないんでしょうか」
★関谷「少なくとも書斎はいらなくなった」
☆梅本「これが良い時代なのかな?」
★関谷「良い時代だろう」
☆梅本「本当に?」
★関谷「うん」

☆梅本「ところがそうではないんです。実は管理人は自宅の本が利用できない環境でこのブログ書いてるんです。ネット環境はあるので当たり前の事実確認はできるんですが、今まで本で読んだ事をひとつひとつ確認できないのでごくごく当たり前のことしか言えず、なんかかなりのっぺりしたサイトになってます。
    ここの管理人はそもそも大した量の本は持っていません。それでさえこうなんだから、本当に蔵書らしい蔵書をもっている人ならどうなることかと。少なくとも今程度のネット情報ではだめですね。もっともっとネットに情報がないと。
    ここ百年くらいで活字になったもののうちで、デジタルテキストに変換されてる分なんて嵩が知れてます。というかそれ以前に、これは中野三敏さんが書いてるんだけども江戸時代の和本100万冊で現代の活字になってるのはそのうち1万冊に過ぎないって」

 

 

 

 

総目次
 
まずお読みください

◇主題  反町茂雄によるテーマ
反町茂雄による主題1 反町茂雄による主題2 反町茂雄による主題3 反町茂雄による主題4

◇主題補正 鏡像フーガ
鏡像フーガ 蒐集のはじめ 大名たち 江戸の蔵書家 蔵書家たちが交流を始める 明治大正期の蔵書家 外人たち 岩崎2家の問題 財閥が蒐集家を蒐集する 昭和期の蔵書家 公家の蔵書 すべては図書館の中へ 
§川瀬一馬による主題 §国宝古典籍所蔵者変遷リスト §百姓の蔵書
 

◇第一変奏 グロリエ,ド・トゥー,マザラン,コルベール
《欧州大陸の蔵書家たち》
近世欧州の蔵書史のためのトルソhya

◇第二変奏 三代ロクスバラ公、二代スペンサー伯,ヒーバー
《英国の蔵書家たち》

◇第三変奏 ブラウンシュヴァイク, ヴィッテルスバッハ
《ドイツ領邦諸侯の宮廷図書館》

フランス イギリス ドイツ  イタリア
16世紀 16世紀 16世紀 16世紀  16世紀概観
17世紀 17世紀 17世紀 17世紀  17世紀概観
18世紀 18世紀 18世紀 18世紀  18世紀概観
19世紀 19世紀 19世紀 19世紀  19世紀概観
20世紀 20世紀 20世紀 20世紀  20世紀概観
仏概史  英概史  独概史  伊概史

◇第四変奏 瞿紹基、楊以増、丁兄弟、陸心源
《清末の四大蔵書家》
夏・殷・周・春秋・戦国・秦・前漢・新・後漢 三国・晋・五胡十六国・南北朝 隋・唐・五代十国 宋・金・元   中華・中共    

◇第五変奏 モルガン,ハンチントン,フォルジャー
《20世紀アメリカの蔵書家たち》
アメリカ蔵書史のためのトルソ
 
◇第六変奏
《古代の蔵書家たち》
オリエント ギリシア ヘレニズム ローマ

◇第七変奏
《中世の蔵書家たち》
中世初期 カロリングルネサンス 中世盛期 中世末期

◇第八変奏
《イスラムの蔵書家たち》
前史ペルシア バグダッド カイロ コルドバ 十字軍以降
 
◇第九変奏 《現代日本の蔵書家たち》
本棚はいくつありますか プロローグ 一万クラスのひとたち 二万クラスのひとたち 三万クラスのひとたち 四万クラスのひとたち 五万クラスのひとたち 六万クラスのひとたち 七万クラスのひとたち 八万クラスのひとたち 九万クラスのひとたち 十万越えのひとたち 十五万越えのひとたち 二十万越えのひとたち エピローグ TBC

◇第十変奏 《現代欧米の蔵書家たち》
プロローグ 一万クラス 二万クラス 三万・四万・五万クラス 七万クラス 十万・十五万クラス 三十万クラス エピローグ1 

◇第十一変奏
《ロシアの蔵書家たち》
16世紀 17世紀 18世紀①   19世紀① ② ③ 20世紀① ② ③

 

 

Δ幕間狂言 分野別 蔵書家
Δ幕間狂言 蔵書目録(製作中)
 
◇終曲   漫画の蔵書家たち 1 
◇主題回帰 反町茂雄によるテーマ
 

§ アンコール用ピースⅠ 美術コレクターたち [絵画篇 日本]
§ アンコール用ピースⅡ 美術コレクターたち [骨董篇 日本]

§ アンコール用ピースⅢ 美術コレクターたち [絵画篇 欧米]
§ アンコール用ピースⅣ 美術コレクターたち [骨董篇 欧米]
 
§ アンコール用ピースⅤ レコードコレクターたち
§ アンコール用ピースⅥ フィルムコレクターたち
 
Θ カーテンコール 
閲覧者様のご要望を 企画① 企画② 企画③ 企画④


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  1. 総目次  2019/5/24更新 – 蔵書家たちの黄昏
  2. 総目次  6/8更新 – 蔵書家たちの黄昏
  3. [116] Twilight of the Book Collectors – 蔵書家たちの黄昏
  4. [108] 現代日本の蔵書家6 六万クラスのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  5. [104] 現代日本の蔵書家たち2 二万クラスのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  6. [209] イスラムの蔵書家たち 前史ペルシア – 蔵書家たちの黄昏
  7. [213] イスラムの蔵書家たち 十字軍以降 – 蔵書家たちの黄昏
  8. [113] 現代日本の蔵書家11 十五万越えのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  9. [7] 鏡像フーガ2 蒐集のはじめ – 蔵書家たちの黄昏
  10. [120] 現代欧米の蔵書家たち 30000クラス,40000クラス,50000クラスのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  11. [8] 鏡像フーガ3 大名たち – 蔵書家たちの黄昏
  12. [16] 鏡像フーガ付録1 川瀬一馬による主題 – 蔵書家たちの黄昏
  13. [11] 鏡像フーガ6 外人たち – 蔵書家たちの黄昏
  14. [10] 鏡像フーガ5 明治大正期の蔵書家 – 蔵書家たちの黄昏
  15. [202] 古代の蔵書家 ギリシア – 蔵書家たちの黄昏
  16. [203] 古代の蔵書家 ヘレニズム – 蔵書家たちの黄昏
  17. [204] 古代の蔵書家 ローマ – 蔵書家たちの黄昏
  18. [212] イスラムの蔵書家たち コルドバ – 蔵書家たちの黄昏
  19. [208]中世の蔵書家たち 13,14c – 蔵書家たちの黄昏
  20. [206] 中世の蔵書家たち 9, 10c – 蔵書家たちの黄昏
  21. Grolier, De Thou, Mazarin, Colbert – 蔵書家たちの黄昏
  22. [103] 現代日本の蔵書家たち1 一万クラスのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  23. [13] 鏡像フーガ8 昭和期の蔵書家 (1970年頃まで) – 蔵書家たちの黄昏
  24. [118] 現代欧米の蔵書家たち 10000クラスのひとたち – 蔵書家たちの黄昏

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テーマの著者 Anders Norén

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