蔵書家たちの黄昏

反町茂雄の主題による変奏曲

[5] 反町茂雄によるテーマ その4 

 昭和42年に中山正善が世を去り、その五年後には小汀利得も後を追います。
 「業界の賑わいは四十年代に入って急速に下降に向かいます。珍書の出品が少なく、あたかも天理と時を等しくして、一段落を迎えたかのような形勢であります」

 昭和20年代に市場へ大量流出した稀書珍籍が、30年代にその再配置を終えた格好であって、稀覯本の収集家はその後も後を絶たないものの、スケール感においてこの時期に匹敵する人は以後出てきません。
 例えば司馬遼太郎のように、豊富な財力を駆使して珍籍を買いあさった人はいるけれども、彼の場合は小説の資料としてであり、書いた後はまた売り払っています。つまり稀書のコレクターとは違うわけです。(そのため司馬の異様な博識が一体どの書物から導かれたものか、研究が困難なのは有名ですね)。谷沢永一談「司馬さんは足跡を残さない」
 洋書では児玉三夫や渡辺昇一などその限りではないようですが、「反町茂雄による主題の提示」からは外れるので、この項はひとまずこれで終えましょう。

 

 

 

 

 

 

総目次
 
まずお読みください

◇主題  反町茂雄によるテーマ
反町茂雄による主題1 反町茂雄による主題2 反町茂雄による主題3 反町茂雄による主題4

◇主題補正 鏡像フーガ
鏡像フーガ 蒐集のはじめ 大名たち 江戸の蔵書家 蔵書家たちが交流を始める 明治大正期の蔵書家 外人たち 岩崎2家の問題 財閥が蒐集家を蒐集する 昭和期の蔵書家 公家の蔵書 すべては図書館の中へ 
§川瀬一馬による主題 §国宝古典籍所蔵者変遷リスト §百姓の蔵書
 

◇第一変奏 グロリエ,ド・トゥー,マザラン,コルベール
《欧州大陸の蔵書家たち》
近世欧州の蔵書史のためのトルソhya

◇第二変奏 三代ロクスバラ公、二代スペンサー伯,ヒーバー
《英国の蔵書家たち》

◇第三変奏 ブラウンシュヴァイク, ヴィッテルスバッハ
《ドイツ領邦諸侯の宮廷図書館》

フランス イギリス ドイツ  イタリア
16世紀 16世紀 16世紀 16世紀  16世紀概観
17世紀 17世紀 17世紀 17世紀  17世紀概観
18世紀 18世紀 18世紀 18世紀  18世紀概観
19世紀 19世紀 19世紀 19世紀  19世紀概観
20世紀 20世紀 20世紀 20世紀  20世紀概観
仏概史  英概史  独概史  伊概史

◇第四変奏 瞿紹基、楊以増、丁兄弟、陸心源
《清末の四大蔵書家》
夏・殷・周・春秋・戦国・秦・前漢・新・後漢 三国・晋・五胡十六国・南北朝 隋・唐・五代十国 宋・金・元   中華・中共    

◇第五変奏 モルガン,ハンチントン,フォルジャー
《20世紀アメリカの蔵書家たち》
アメリカ蔵書史のためのトルソ
 
◇第六変奏
《古代の蔵書家たち》
オリエント ギリシア ヘレニズム ローマ

◇第七変奏
《中世の蔵書家たち》
中世初期 カロリングルネサンス 中世盛期 中世末期

◇第八変奏
《イスラムの蔵書家たち》
前史ペルシア バグダッド カイロ コルドバ 十字軍以降
 
◇第九変奏 《現代日本の蔵書家たち》
本棚はいくつありますか プロローグ 一万クラスのひとたち 二万クラスのひとたち 三万クラスのひとたち 四万クラスのひとたち 五万クラスのひとたち 六万クラスのひとたち 七万クラスのひとたち 八万クラスのひとたち 九万クラスのひとたち 十万越えのひとたち 十五万越えのひとたち 二十万越えのひとたち エピローグ TBC

◇第十変奏 《現代欧米の蔵書家たち》
プロローグ 一万クラス 二万クラス 三万・四万・五万クラス 七万クラス 十万・十五万クラス 三十万クラス エピローグ1 

◇第十一変奏
《ロシアの蔵書家たち》
16世紀 17世紀 18世紀①   19世紀① ② ③ 20世紀① ② ③

 

 

Δ幕間狂言 分野別 蔵書家
Δ幕間狂言 蔵書目録(製作中)
 
◇終曲   漫画の蔵書家たち 1 
◇主題回帰 反町茂雄によるテーマ
 

§ アンコール用ピースⅠ 美術コレクターたち [絵画篇 日本]
§ アンコール用ピースⅡ 美術コレクターたち [骨董篇 日本]

§ アンコール用ピースⅢ 美術コレクターたち [絵画篇 欧米]
§ アンコール用ピースⅣ 美術コレクターたち [骨董篇 欧米]
 
§ アンコール用ピースⅤ レコードコレクターたち
§ アンコール用ピースⅥ フィルムコレクターたち
 
Θ カーテンコール 
閲覧者様のご要望を 企画① 企画② 企画③ 企画④


次へ 投稿

前へ 投稿

0 コメント

22 ピンバック

  1. 総目次 2019/5/9更新 – 蔵書家たちの黄昏
  2. [116] Twilight of the Book Collectors – 蔵書家たちの黄昏
  3. [113] 現代日本の蔵書家11 十五万越えのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  4. [213] イスラムの蔵書家たち 十字軍以降 – 蔵書家たちの黄昏
  5. [7] 鏡像フーガ2 蒐集のはじめ – 蔵書家たちの黄昏
  6. [8] 鏡像フーガ3 大名たち – 蔵書家たちの黄昏
  7. [10] 鏡像フーガ5 明治大正期の蔵書家 – 蔵書家たちの黄昏
  8. [13] 鏡像フーガ8 昭和期の蔵書家 (1970年頃まで) – 蔵書家たちの黄昏
  9. Grolier, De Thou, Mazarin, Colbert – 蔵書家たちの黄昏
  10. [203] 古代の蔵書家 ヘレニズム – 蔵書家たちの黄昏
  11. [115] 現代日本の蔵書家∞ エピローグ – 蔵書家たちの黄昏
  12. [204] 古代の蔵書家 ローマ – 蔵書家たちの黄昏
  13. [210] イスラムの蔵書家たち バグダッド – 蔵書家たちの黄昏
  14. [211] イスラムの蔵書家たち カイロ – 蔵書家たちの黄昏
  15. [212] イスラムの蔵書家たち コルドバ – 蔵書家たちの黄昏
  16. [208]中世の蔵書家たち 13,14c – 蔵書家たちの黄昏
  17. [206] 中世の蔵書家たち 9, 10c – 蔵書家たちの黄昏
  18. [104] 現代日本の蔵書家たち2 二万クラスのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  19. [103] 現代日本の蔵書家たち1 一万クラスのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  20. [108] 現代日本の蔵書家6 六万クラスのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  21. [105] 現代日本の蔵書家3 三万クラスのひとたち – 蔵書家たちの黄昏
  22. 総目次 4/15更新 – 蔵書家たちの黄昏

返信する

© 2021 蔵書家たちの黄昏

テーマの著者 Anders Norén

Translate »